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春になるのが楽しみだった。作家の城山三郎さんが、あるエッセーで述懐している◆新米の車掌が、緊張に頬を染めながら、かたい声をはり上げて、バス停の名を告げる――初々しい情景は、しかし、運転手が1人で乗務する時代になって車内から消えた。〈車掌不足で苦肉の策〉。ワンマンカー導入を進めるバス業界の動向をこの見出しで本紙が報じたのは1964年のことである◆それから60年、今度は運転手不足からバス自体の減便や路線の廃止が各地で相次いでいる◆本紙オンラインの記事によれば、千葉市の中心部と住宅街を結ぶ路線で1日54便だった運行が、今月に入って4便に激減した。慢性的な人手不足に運転手の残業規制強化が重なり、従来の運行が維持できなくなったらしい◆ワンマンカーと同世代の当欄担当者は高校1年でバス通学を始めた。すでに車掌さんの姿はなかったが、老若男女が乗り合わせる車内は15歳にして初めてふれる社会の縮図だった。代替わりした老若男女の困り切った様子が浮かぶ。
よみうり寸評より

・・・「鎌倉駅行き」も減るんかな?
NOB












