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書道では、手本を模写するように書くことを臨書という。宮本輝さんの小説『よき時を思う』に、筆と硯を友にする女性の点描がある◆主人公の綾乃は数ある臨書の手本から、小野道風の書いた古今和歌集を手に取る。<綾乃はその字が好きになった。角のない丸みを帯びた字は、小筆の穂先だけで書かれているのに、さまざまなふくらみのある雲がゆっくりと動いているかのよう>◆書に親しむ心の動きを写すこの一節を思い浮かべた。書道が、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に提案されることが決まった◆宮本さんが作品に招いた小野道風は、和歌文化が栄えた平安の世の書家である。中国の角ばった字体からの脱却をはかり、丸みを帯びた柔らかな書風を生み、人々から敬愛された。スター的な存在だったらしく、源氏物語に「道風の書は今風ですてき」といったふうの表現がある◆そういえば、書道の「今風」は令和にもある。人気ユニット・YOASOBIの楽曲「群青」を取りあげ、歌詞を書かせる高校書道の教科書が来春から登場する。小筆の先からメロディーが聞こえそうだ。
読売新聞 編集手帳より

・・・やっぱり今年は「アイドル」だね~。
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