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日本語は奥深く難しい。文化庁による「国語に関する世論調査」の結果を眺めるたびにそう思う◆先頃公表された2021年度版は、「 姑息」の意味の揺らぎを伝えていた。〈ひきょうな〉と思っている人がじつに70%を超え、本来の〈一時しのぎ〉との意を知っている人は17%に過ぎないという◆語意の逆転現象といえる例だが、この人には使い勝手がいい。旧統一教会「世界平和統一家庭連合」との関わりが次々に浮上し、辞任に追い込まれた山際経済再生相である◆「記憶にない」「資料がない」…と一時しのぎの釈明をつづける姿は見苦しく、国民の目にも卑怯と映ったことだろう。傷んだ経済を立て直すどころか、国会を混乱させたご仁に閣僚たる資格はない◆逆転現象をもう一つ思い出す。「失笑」である。本来の〈思わず吹き出してしまう〉より、〈笑いも出ないくらいあきれる〉と認識している人の方が多いという。姑息を知りつつ、かばいつづけた首相も後者の広がりに留意されたい。失笑を買いませぬよう。
よみうり寸評より

古くは「せど」とも言い、「瀬戸」と表記されるようになったのは近世以降である。「際」は境界となるところ、境目の部分を意味する言葉で、瀬戸際は「狭い海峡と海との境目」が本来の意味である。そこから、重要な分岐点・物事の分かれ目などを「瀬戸際」と言うようになった。
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